「MainStage」とは
「MainStage」は、ライブ演奏での使用を目的とした音楽アプリケーションです。MainStage お使いのコンピュータが、ステージ上で演奏中に使用できる強力なマルチ音源/エフェクトプロセッサに変身します。ボーカリストであっても、キーボードやギターなどの楽器のプレーヤーであっても、「MainStage」をライブ演奏設定で使用することができます。
USB または MIDI キーボードコントローラを使用して、ピアノなどの鍵盤楽器、シンセサイザー、弦楽器、ホーン、パーカッションなど、さまざまなソフトウェア音源を演奏できます。
Logic Remote アプリケーションを使用して、iPad でソフトウェア音源を演奏したり、「MainStage」のその他の要素を制御したりすることもできます。
エレクトリックギターを演奏する場合は、仮想アンプを通し、オーバードライブ、リバーブ、コンプレッションなどのエフェクトを使って演奏できます。
ボーカリストやドラマーなどのミュージシャンの場合は、マイクを通してマルチエフェクト設定を使用できます。
「MainStage」では、コンサートでサウンドを構成したり利用したりします。コンサートには、1 つまたは複数の演奏で使うサウンドを格納できます。MainStage コンサートにはサウンドがパッチとして格納され、パッチは 1 つ以上のチャンネルストリップを持ち、それらに独自の音源やエフェクトを挿入できます。チャンネルストリップを追加したり、チャンネルストリップ設定を選択したり、音源やエフェクトを追加したり、それらのパラメータを編集してサウンドをカスタマイズしたりすることもできます。異なるタイプのチャンネルストリップを 1 つのパッチに混在させることもできます。
コンサートのパッチは「パッチリスト」で整理します。「パッチリスト」ではパッチをセットにまとめることもできます。セットとは、まとめて管理したいパッチを入れておくフォルダのことです。
コンサートにはレイアウトと呼ばれる視覚的なインターフェイスが用意されていて、それらのスクリーンコントロールを使ってライブ演奏でのパッチを変更できます。スクリーンコントロールには、キーボード、フェーダー、ノブ、ボタン、ペダル、ドラムパッドなどのハードウェアコントロールやディスプレイがあります。MIDI デバイスと MainStage コンサートを接続するには、コンサート内でハードウェアコントロールをスクリーンコントロールにアサインします。その後、スクリーンコントロールをチャンネルストリップやプラグインのパラメータにマップすることで接続が完了します。これで、コンサート内の各パッチのパラメータを簡単に操作できます。
スクリーンコントロールをアクションにマップすることで、パッチを選択したり、チューナーやメトロノームを制御したり、視覚的なフィードバックを表示したりすることもできます。
「MainStage」では、コントローラアサインメントやパラメータマッピングがすばやく簡単にできるので、作業時間を短縮できます。レイアウトは、MIDI ハードウェアのコントロールに合わせたり、画面の大きさに納まるように設定したりするなど、さまざまな要件に応じてカスタマイズできます。
MainStage をキーボードで操作する
USB または MIDI キーボードコントローラを使って演奏する場合は、ソフトウェア音源付きの MainStage パッチをコントローラを使用して演奏したり制御したりできます。キーボードコントローラ上のフェーダー、ノブ、ボタンなどのコントロールをコンサートのスクリーンコントロールにアサインしてから、それらのスクリーンコントロールをパッチのパラメータにマップできます。すぐに使いたいパラメータだけをパッチごとに選択しておけば、演奏中にコントローラから呼び出すことができます。
サスティンペダル、エクスプレッションペダル、フットスイッチ、MIDI ギター、ウィンドコントローラなどの標準 MIDI メッセージを送信する MIDI コントローラを使って、「MainStage」を操作できます。外部ハードウェアシンセサイザーや ReWire アプリケーションなどのソフトウェア音源を外部音源チャンネルストリップを使って制御することもできます。
Logic Remote アプリケーションを使用して、iPad でソフトウェア音源を演奏したり、「MainStage」のその他の要素を制御したりすることもできます。
MainStage をエレクトリックギターまたはベースで操作する
エレクトリックギターを演奏する場合は、「MainStage」を強力でカスタマイズ可能なマルチエフェクトプロセッサとして利用できます。オーディオインターフェイスを使って音源をコンピュータに接続したら、パッチのオーディオ・チャンネル・ストリップにギターのオーディオ信号を送信し、そこでエレクトリックギター専用に設計された Amp Designer や Pedalboard などのプラグインエフェクトを追加することができます。EQ、コンプレッション、リバーブ、オーバードライブなどのエフェクトをギターパッチで使用することもできます。エクスプレッションペダルを使って音量、エフェクトブレンド、エクスプレッションを制御したり、フットスイッチを使ってパッチを選択したりといったことが、演奏中に手を使わずにできます。
MainStage をボーカル、ドラム、またはその他の楽器で操作する
ボーカリストやアコースティックミュージシャンも、コンピュータに接続されたマイクからのオーディオ出力をパッチのオーディオ・チャンネル・ストリップに送信することで、「MainStage」を操作できます。音源やマイクからの入力や、スピーカー、モニタ、ミキシング卓、PA システムへのオーディオ出力のために、オーディオインターフェイスやデジタルミキサーなどの Core Audio 対応デバイスで「MainStage」を操作できます。「MainStage」では、パッチ内でさまざまなエフェクトにアクセスできます。
ドラマーも、マイクからのオーディオ出力をパッチのオーディオ・チャンネル・ストリップに送信したり、ドラムパッドや仮想ドラムキットを使用して EXS24 mkII サンプラー、Ultrabeat、およびパーカッションプラグインを制御したりすることで、「MainStage」を操作できます。
MainStage をライブ演奏で使用する
カスタマイズしたパッチをコンサート内に作成したら、演奏準備は完了です。「演奏」モードでは、パッチを選択すれば、すぐに演奏を開始できます。MainStage パッチ間が継ぎ目なしに切り替わります。新しく選択したパッチの演奏を始めても、切り替える直前に鳴らしたパッチの音は途切れません。パッチ名、パラメータ値、オーディオの出力レベルをリアルタイムで確認できるほか、コンサート全体のエフェクトを調整したり、コンサート全体の設定を制御したりもできます。
デフォルトでは、ワークスペースがコンピュータの画面全体に広がり、画面上のレイアウトに合わせて画面領域が最適化されます。「ウインドウで演奏」を選択すると、ワークスペースは MainStage ウインドウ全体に広がりますが、Finder やほかのアプリケーションにはアクセスできます。
「MainStage」は、複数の MIDI コントローラ、マイク、楽器、その他の装置と組み合わせて使用できます。リバーブやディレイなど、タイムベースのエフェクトでは、定義済みのテンポを設定することも、テンポチェンジに MIDI 入力を使うことも、演奏時にテンポをタップすることもできます。
Logic Remote アプリケーションを使用して、iPad でソフトウェア音源を演奏したり、パッチを追加したり、パッチおよびチャンネルストリップ設定を選択したり、チャンネルストリップをミュートまたはソロにしたり、Smart Control を調整したりするなど、「MainStage」のさまざまな要素を制御することもできます。
使いかたのヒントなどついては、「MainStage を使ってライブ演奏をする」の章のトピックを参照してください。